フランス国内の日本食事情 ~日本製日本食はなぜ高いのか
フランスでは日本ブームと健康志向により、日本食=健康とイメージが強い、日本食が人気を誇っている。
現在はフランス国内にあるマクドナルドの店舗数が1300なのに対し、日本食レストラン数が2500件ほどある。驚きだ。
しかし実はスーパーなどで売られている日本食は、本物の日本食ではないことが多い。実は中国製やベトナム製が多いのだ。
日本食の流通方法とは?
フランスで販売されている日本食は、日本の食品メーカーがフランス国内向けに輸出しているものと(図1)、フランスの販売メーカーがアジアで現地調達したりOEM契約をして国内輸入しているケースがある。
(図1)
(図2)
図は二つともJETROから
OEM契約とは
ここでOEM契約に触れてみる。
OEM契約
メーカー依頼主の注文により、依頼主のブランドの製品を製造すること、またはある企業がメーカーに対して自社ブランド製品の製造を委託することです。開発・製造元と販売元が異なり、製品自体は販売元のブランドとなります。
ライセンス契約
企業のノウハウに対し、ライセンス料を支払い、ライセンス受諾者のリスクで当該製品を製造(生産)する方式です。
OEM生産(Original Equipment Manufacturing/Manufacturer)
委託者が製品の詳細設計から製作や組み立て図面にいたるまで受託者へ支給し、場合によっては技術指導も行います。技術提携や販売提携と並んで企業の経営効率を高める目的で採用されます。
ODM生産(Original Design Manufacturing)
製造する製品の設計から製品開発までを受託者が行います。なかには、マーケティングまで行い、さらに物流や販売まで複数のブランドの製品を一貫して提供する企業もあります。
ソース
つまりOEMは他社に作らせるだけで製品そのものは自社のものになることを言う。依頼主が開発や設計を行う。
ODMは受託者が設計から開発まですべて行う。
さて話を戻す。日本からの食品は他のアジアから輸入されたものに比べて値段が高くて、賞味期限が短いという問題点を抱えている。
上にフランス国内で販売されるものに対しても、高所得者向けになり、日本からの日本食は高級且つ健康という位置づけでなのだ。
なぜ他のアジア諸国に比べ、日本のものは値段が高く、賞味期限が短いのだろうか。
これは調べてみると実は日本の流通に問題があることがわかった。
そもそも日本の野菜の値段は海外に比べて格段に高い。
この原因は日本国内の青果物流通フローの複雑さが大きな原因だ。
下の日本とフランスの流通フロー図を見てみよう。
EUにおける生鮮青果物フロー図
日本における生鮮青果物フロー図
日本ではJAに卸して、市場に卸して小売りに行ってようやく消費者にわたる。
卸売会社がいくつか介して商品マージン増えが商品ロスが50%に達したりする。
複雑な流通は生鮮食品の質を下げ、値段を上げてしまう。
それに対しEUでは巨大小売チェーンが成長してきたことにより、生産者から直接小売りまで行く流れができており、より安価で新鮮に届くことができる。
実はこの背景には農業の規模が大きくかかわっている。日本の農業はフランスの農業と違って大規模でないため、安定的な量を供給することが難しい。そのためJAに一定価格で少量出荷するのが一番賢明になってしまう。このせいで生産者は価格決定を行えないし、生産者と消費者の距離が離れてしまう。
これを見てみるとわかるが、国土がもともと少ない日本はさらに山が多い国のため、農地面積が確保できないのが現状。
やりたいなと思っていること
自分が今熱いなと思っているのが「集団営農法人」という農業経営法人の方法。
メリットデメリットはもちろんあるのだが、土地が集約できないことや土地の問題(土地に家があるという考え方)があるうちは小規模でひっそりとやっていくしかないので、結果的に大規模と同じようになればいいなと思ってます。
だからCityFarmとか農業経営法人とかをうまく合わせて、みんなが生産者になり、生産から消費者までを近くし、流通コスト(フードマイレージ)を下げたりが可能になるんじゃないかなという仮説の元色々考えております。
他には土の情報と野菜の情報とをデータベースから推測し、野菜の質によって価格決定し、いいものを作る農家は儲かるという市場形成もしたいな、なんて思ってますが、どこから手を付けるかはまだまだ考え中です。
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